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第2回懇話会会議録(平成20年2月27日)

第2回 自治基本条例市民懇話会 会議録(要旨)

  • 日時:平成20年2月27日 水曜日 午後6時30分から午後8時30分
  • 会場:名寄市民会館 33号室
  • 内容
    1. 会長あいさつ
    2. 講演「自治基本条例の意義」 アドバイザー 浅野 一弘氏
    3. 質疑・意見交換
    4. その他
      • 第1回懇話会会議録の内容について確認されました。
      • 第3回市民懇話会の開催日程を 3月11日 火曜日としました。

会長あいさつ

前回の懇話会で2回目、3回目の会議では、何のために「自治基本条例」が必要なのか、どういう意義があるのかということについて、基本的な考え方を皆さんでまとめましょうという話をしました。今回はいきなりその内容に入る前に浅野先生から「自治基本条例の意義」ということについて各自治体の条例もふまえながらお話しいただいて、その後、皆さんからの質疑あるいは意見交換という形をとらせていただいて、基本的な考え方、意義などについて認識を深めたいと思います。

「自治基本条例の意義」講演要旨

講演にあたって…

写真
市民懇話会アドバイザー 浅野 一弘氏

札幌大学法学部自治行政学科准教授

自治基本条例とはどういうものなのか、共通認識を図るための場とするため、踏み込んだ内容ではなく、一般的な概略的な話となる。(昨年名寄市職員を対象とした研修で配布した資料と同じものにしている。)

1.はじめに

地方分権の潮流
  • 地方分権一括法のインパクト(事務局メモ参照)
    • 1993年宮沢連立政権時に衆参両院において、地方分権を進める決議を行なったことを契機として地方分権の動きが進み始め、1999年に成立した地方分権一括法につながっている。 この法律が与えた影響は非常に大きく、この法律ができたことによって自治基本条例を制定する自治体がでてきたといっても言いすぎではない。この法律の大きなポイントは機関委任事務が廃止されたということ。このことによって…法律上、国と地方が上下関係から対等な関係となった。
  • ガバメントからガバナンスへ
    • ガバメント(統治)は、上下関係、国の下に地方自治体、住民はさらに下に位置づけられていた。ガバナンス(共治、協治)は対等の関係を示す言葉。国、道、市町村、住民が横並び、対等な関係を可能にしたのが地方分権一括法である。
  • ガバナンスの構成要素 T・A・P・E
    • 国と自治体の関係において、あるいは自治体と市民の関係においてもガバナンスを機能させていくためにはT・A・P・Eの要素が担保されていないと実現できない。
      • Transparency(透明性)
      • Accountability(説明責任)
      • Participation(住民参加)
      • Equity(公平性)
  • ガバナンスを成立させるための仕組み
    • ガバナンスを成立させるための仕組み(T・A・P・Eの具体的な仕組み)として、透明性を担保する情報公開、パブリックコメント(地域に住んでいる人の発言。これまで行政機関と議会で決定してきたことに対しての市民参加の担保)、行政評価(内部評価だけでなく、市民に役所の仕事を評価してもらう。透明性の確保であり住民参加であり、役所の説明責任の場でもある。)の3点が重要。市民にも役所にもそうした取り組みの意識があらわれてきた。
ガバナンスの要素を担保するものが自治基本条例と考える。別の言い方をすれば、情報公開だとか地域の人の意見を事前に聞くパブリックコメントだとか、あるいは予算の無駄遣いなど地域の人が評価する行政評価などはあたりまえのことであるが、そのあたりまえのことができなかった、それを担保するものがなかった。
私たちが普段生活しているときには、お互いの人権を尊重するのは当然のこと。それは日本国憲法に保障されていることだが憲法を意識しながら生活しているわけではない。ごく当然のこととして思っているはず。まさに自治基本条例とは自治体について、ごく当然のことを書いたもの。自治体の憲法と言われるのは、そういう意味がある。憲法というのは国、権力が私たちに不当な介入をしないように国民の権利を守るためにある。
自治基本条例というのは市民の権利を守るためにある。役所に不用意に介入されることはないんだということ。一方、権利があるということは義務もあるということ。自治基本条例は市民のためにある反面、市民にも求められる二つの側面があるということを意識してほしい。
自治基本条例という言葉がいつごろから新聞紙上に出てくるようになったかというと、朝日新聞では1997年2月の新聞記事ででてきた。2007年11月までに322件の記事が検索できる。新聞記事でこうした件数の言葉が出てくるということは注目が集まり始めたということであり、自治基本条例を作る自治体が全国ででてきたということ。全国で約70の自治体でつくられている。

2.自治基本条例の意義

自治基本条例の定義
自治基本条例とは、自治体の憲法といわれ、他の条例に対し最高規範という性格を有する。
総合計画に対しても上位に位置づけられる。と「地方自治の現代用語」(学陽書房)では、説明されている。
前回、総合計画と自治基本条例を作る順番について意見がありましたが、総合計画を作ってから自治基本条例を作る自治体は多くあります。自治基本条例は私たちが生活するうえで、当たり前のことが書かれているんだということを考えると総合計画と相反することは基本的にはないということです。総合計画が作られてから自治基本条例が作られれば総合計画が育っていくという効果もあると思います。
また、中学校の教科書では『「地方自治の憲法」として住民と行政との対等で協力的な関係を定める条例、さらに地方分権をすすめるためには住民の権利が守られることが大切です。
同時に住民も地域社会全体の利益を守る視点から、地域づくりに参加することが求められています。』と広く紹介されています。
他の自治体条例を例にとると、地方分権一括法が施行された1年後の2001年に施行されたニセコ町まちづくり基本条例では、第3章で「情報共有」について記載がある。非常に多くの情報を持っている行政と市民が対等の立場になるためには情報の共有が必要だということ。第4章には、「まちづくりへの参加の推進」として、住民がどんどん積極的に参加してくださいということが書かれている。また前文でまちづくりの心構えや決意を表わしている。
条例に前文をつけるというのは、その条例制定の由来や背景を明らかにし、その心構えや決意を宣言する意味がある。名寄市の自治基本条例においても前文に「名寄らしさ」というものが出てくるのだと思う。
札幌市の自治基本条例でも市民参加、情報共有が記載されている。他の自治体の条例を見ても透明性、説明責任、参加、公平性があたりまえのこととして書かれている。
また札幌市自治基本条例の「位置づけ」では、まちづくりの最高規範ということが書かれている。総合計画とも整合を図らなければならないと書いてある。
下川町では、情報公開、町民参加、公正が書かれている。位置づけをみると最高規範、自治体の憲法であるということが書かれている。
自治基本条例とは、あたりまえのことを再確認するもの。あたりまえのことが書いてあるから自治体の憲法であり、憲法に反するような条例を作ってはいけない。また住民、議員、市職員も尊重しなければならないと言うことができる。これまであたりまえのことがあたりまえと思われてこなかった。国と自治体の上下の関係、市民も役所に言えばなんでもやってくれるという意識。そうではない。もちろん、一括法ができたということもあって、また財政の問題も、これまでは税収もあって自治体が住民の要望に応えてこれたが、それができなくなったということも背景にあるということ。
ようやくあたりまえのことがあたりまえに言われる時代になってきた。これまでは住民と行政の間には、「やってあげているんだ」「やってもらっているんだ」という意識があったのではないか。それがお互いに「やるんだ」という対等な関係になっているということがポイント。東京都三鷹市の新入職員は「自治基本条例」を尊重しますと宣誓をしている。それだけ自治基本条例を大事にしているということ。
憲法というのは我々主権者のために公の権力を拘束するもの。つまり自治基本条例も市長が変わっても住民にとってあたりまえの権利をあたりまえに保障するもの。
しかしながら、あたりまえといっても硬直してはいけない。時代が変わっていくなかで条例も常に時代に適したものでなくてはならない。ニセコの条例では、条例の検討及び見直し、札幌市の条例でも条例の見直しが書かれている。作ったから全てがおわりではなく、ようやくスタート地点にあるということ。自治基本条例が機能しているかを点検する仕組みなどを作り、絵空事にならないようにしなければならない。
 

3.自治基本条例の構成要素

ガバナンスの確立に向けて
自治基本条例を作ることによって、あるいはそこに盛り込むことによってT・A・P・Eが確立される
  • 透明性(Transparency)
    • 住民に見える政策決定。情報を提供し、意見を聞き、説明の責任を負う。手間隙がかかるが民主的な社会を作るための必要条件。
  • 説明責任(Accountability)→(情報公開)
    • 請求があってからの公開ではなく、積極的に役に立つ情報を提供していくべき。
    • 住民が責任ある発言をするには情報が必要。住民にわかりやすい(わかってもらう努力)情報提供が必要。
  • 住民参加(Participation)
    • 職員は、住民参加は市民からアイディアを提供してもらえるありがたい機会であるとの発想を持つと良い。また、自治の原点である全員参加で物事を決めるタウンミーティングを現代風にアレンジするなどの手段を考えるべき。困難な自治体財政のなかで行政運営を進めるにあたり住民参加は行政側にもメリットがあると考える。
T・A・P・E以外の視点からの自治基本条例の構成要素(検討すべき項目)
  • 協働について
    • 汎用性のある施設整備、防災の観点などから近隣の自治体との協働、また姉妹都市などとの協働が考えられる。
  • Plan-Do-See(Plan-Do-Check-Action)サイクル
    • 住民参加による外部評価によって、効率的、公平な行財政運営と市民の責任を求める。
    • 政策、予算に反映させることによって財政健全化につなげる手段にもなり得る。
  • 政策立案能力の向上
    • 説明責任を求め続けると、最先端の情報収集とその内容を住民にわかりやすく説明する能力育成につながる。
  • 情報共有
    • 対住民だけではなく、役所内部の情報共有が重要。政策能力向上にも繋がる。
  • 倫理
    • 公平性の観点から職員、議員とも倫理について言及することも必要と考える。
  • 議会のあつかいについて
    • 執行側からの基本条例論議だが、執行側の行政部分と議会としての議会条例をあわせて自治基本条例とすることが望ましいのではないか。
  • 住民投票
    • 間接民主制、代議制民主政治から無制限の住民投票は望ましくないと考える。条例で規定するとすれば、項目を限定、明記すべき。たとえば自治体の廃置分合(合併など)。
    • 自治基本条例に住民投票を規定していながら、自治基本条例を制定する際に住民投票を行うというところまではいっていない。
  • 首長の多選禁止
    • 法律では多選を禁止することは許されてはいないが、国でもそうした動きが出ているので、先駆けて検討してみてはどうか。
  • 団体自治の要素
    • 住民自治の実現が基本条例の核であるが、団体自治も盛り込んだほうが良いと考える。

4.結び

地方自治の本旨
憲法第92条にある地方自治の本旨は、団体自治と住民自治の二つの要素からなり、機関委任事務の廃止で国と地方は法的には対等な関係になった。国から独立して執行するのが団体自治であり、機関委任事務が廃止され、制度的に担保された。住民が積極的に市政に参加する制度的枠組みを担保するのが自治基本条例であろう。
ごくごくあたりまえのことをあたりまえに再確認しましょうという世の中になってきた。自治基本条例には、当然と思われることが盛り込まれることになる。
今一度自治基本条例を定義すると「オープンな市政を展開するために、情報の共有を受けた住民が積極的かつ公平に市政に参加することを明記したもので、自治の根本的なルールを再確認したもの」だと考えている。
名寄市の自治にかける意気込みを表明すべきであると考える。注意すべきことは、説明責任として、住民にわかりやすいものでなければならないということ。誰が見てもわかる条例になる工夫が必要。
すでに全国では、数十の自治体で自治基本条例が制定されている。後発組のメリットとして、どこの自治体を見ても当たり前のことが書かれており、先進条例を参考にできるということ。そのため名寄らしさの議論を十分保障できるのではないか。
条例を制定するからには、それを意識しなければ意味がない。自治基本条例を制定するということは、スタート地点に立つということである。

配布参考資料

  • 神奈川県大和市 「つくる会」会議等の記録
  • 札幌市 「市民会議」の開催記録

事務局メモ

(1)地方分権一括法(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)とは…

平成11年7月16日法律第87号
  • 地方自治法を主とした地方分権に関する法規の改正に関する法律・本法独自の項目は存在せず、475の法律について一部改正または廃止が定められている改正法。通称「地方分権一括法」。
  • 地方自治法改正を中心とした大半の施行は2000年(平成12年)4月1日だが、一部法律については施行が前後している。
法律のおもな内容
  1. 国及び地方公共団体が分担すべき役割の明確化
  2. 機関委任事務制度の廃止及びそれに伴う事務区分の再構成
  3. 国の関与等の抜本的見直し
  4. 権限委譲の推進
  5. 必置規制の見直し
  6. 地方公共団体の行政体制の整備・確立
たとえば…
1.地方自治法において、次の規定(第1条の2)が設けられた第1条の2 地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。
  1. 国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たって、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。(平成11年・追加)
  2. 機関委任事務は、法律または政令によって国から地方公共団体の執行機関(知事や市町村長など)に委任された事務のこと。平成11年に廃止され、法定受託事務に再編成された。
    • 委任された事務は「国の事務」として扱われ、その事務については国の指揮監督を受ける。
    • 費用は原則として国が負担した。
都道府県知事や市町村長を国の機関と構成して国の事務を処理させる仕組み

質疑・意見交換

【委員】
なぜガバメントからガバナンスにならなければならないのかということが大事だと思います。
今まで行政は広く住民サービスを行うことをモットーとして、また一人でも多くの人に満足してもらうためにあるのが行政だと思われています、あるいは思われていたと思います。
住民が大きな声を出したり、あるいは地域全体で要望を出したりすると、それに対して行政が対応してきたということが営々と続いてきたなかで、財政が厳しくなったから、いきなり責任を負って、わがままを言うなと言っても、それでは国が豊かになったら前のやり方のほうが良かったんじゃないかと思う人がでてくるのではないかと思います。
こういうことは当たり前です。と言うことよりも今の状況で、どうしてこう変わらなければならないのかという意識が一致しないと自治基本条例を作ってもきれいごとにしかならないのではないでしょうか。
総合計画を作る際にも多様化する市民ニーズをどう少ない負担、人間そうした環境のなかで実現していくのか、それが行政の使命だと多くの市民が考えていましたが、そうではなく多様化する市民ニーズは大事なことだが、それが本当に市民にとって必要なことが提案されているのか、わがままなのか、それを見極めることが重要だと思います。
たとえば、除雪です。どうしていつも同じ経路で除雪をするんだと大きな声を出す市民もいれば、その経路では効率が悪いからと説明されて我慢する市民もいます。
大きな声に対し対応する行政。そうした住民と行政が営々と行なってきたことをなぜ変えなければいけないのかということをしっかりと議論しないと自治基本条例を作っても魂がはいらないのはないかと考えています。
【アドバイザー】
自治体が自治基本条例に取り組む理由として財政の問題は大きな要因だと思います。財政が豊かであればできる仕事もそうでなければ我慢しなければならない。だから市民の権利を認めようというのは、おっしゃるとおりだと思います。また国や自治体が豊かになれば変わるのかともおっしゃられましたが、おそらく財政的に豊かになることは見込めないと思います。
市民社会が成熟してきた。今までは自分たちの暮らしが中心だったのが、子どもや孫、友人たちといつまでも笑顔で暮らしたいと考えていかないとだめなんだと思えるようになってきました。市民の意識が変わってきたことも自治基本条例が必要なんだという背景になっていると考えます。
また市民と行政の関係のなかで、大きな声をだす人やわがままと思われることをしばる役割も大きいと思います。
多様化する市民ニーズに対して、説明をして納得をしてもらう、自分に納得する説明をしてくれよと言える、そういう手段としての自治基本条例でもあります。
今までやってきたことを制度化して、ルールにのっとってやっていこうということ。これまで声の大きな人が何にでも勝ったかもしれませんが、そうではなくて声が大きくなくても、その人たちの意見をきちんと聞きましょうといったことをルールにしましょうということでもあります。
【委員】
これからの時代は市民が作る行政だということが、これまでは国、自治体が主体になって進めてきたが国も市も財政が厳しいから市民も協力してやりなさいという時代になったと理解しています。
今の地域での町内会活動に対する関心と同様、市民の行政に対する関心度は低いと思います。市が一人でやっている。議会は何をやっているのかわからない。議員と地域のつながりがないから市が一人でやっているように映ります。この懇話会ではここでの内容を市民全体に積極的にPRを行わないといけないと考えます。市政に対する市民の関心度が低いことを考えるとこの自治基本条例を作るというのは大変なことだと思いますし、どうしたらいいのかと思うのが正直な気持ちです。
【アドバイザー】
議員と地域のつながりという意見がありました。たとえば栗山町の議会基本条例を読むと「全議員の出席のもとに町民に対する議会報告会を少なくとも年1回開催して、議会の説明責任を果たす」(第4条7項)、「議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して町民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする」(第4条6項)と書いてあります。
名寄市でもそういったことを盛り込むことによって、市民と議会の関係を変えていくことができるのではないでしょうか。一つのアイディアですが、他の自治体の議会を傍聴しても資料が配られません。ですから議会を傍聴しても話されている内容がわかりません。
傍聴者にも資料を配りなさいといったことを盛り込んでいくと議会に行ってみようと思う人が出てくるかもしれませんし、傍聴者がふえると議会の中でも真摯な議論が展開されることになったりと変わっていく部分があると思います。
議員と市民との間に課題があるとすれば、市民に議会に足を運んでもらうような工夫やその工夫に議員が応えていくということを盛り込む検討をしてはどうでしょうか。
【会長】
今の委員の発言で市民の市政全般に対する関心の薄さということが言われました。
また、この条例を検討する過程において市民のかたにも「何のために条例をつくるのか」という理解をしていただく仕掛けが必要だとのお話がありましたが、他の自治体の例も参考になると思いますし、市民のかたにPRし、理解を得ながら議論していくことが大事だと考えます。
それから先ほどの委員の意見ですがこの条例が必要なのかという根幹に関る質問でした。
その点については、これから十分な議論をふまえて共通の意識を持ちたいと思います。
【委員】
20年ほど前でしょうか、議会を夜間に開催したこともあったと記憶しています。しかし、一般の市民には関心がなかったのではないかと思っています。
【アドバイザー】
地方分権が進んでいるなかで、法律と対等な条例を作る「上書き権」という議論もされていますが、そうしたことを考えると今まで以上に重要なことを決めなければいけないことも想定され、議会の役割はますます重要になってくると思います。そうしたなかで何か工夫が求められていると思います。
【委員】
大和市の検討経過について、検討期間などもう少し説明をお願いします。
【アドバイザー】
第1回の全体会議が平成14年10月に開催され17年5月までに33回の全体会議と、そのほかにも様々な会議や取り組みがされています。大和市のホームページによれば、「公募市民メンバーを主体とした「つくる会」。つくる会と市民、市議、市職員との意見交換等(64回)と、つくる会内部の会合(131回)との合計開催数は195回に。」とあります。
【委員】
この経過を見ると市民が作ったということが伝わってきます。
【アドバイザー】
大和市の自治基本条例では厚木基地の規定がありますが、そこで多くの議論があったようです。
【会長】
大和市のような経過で名寄市が進めることができるかどうかは別にして、この懇話会の提言がまとまるまでの間において、その内容が市民にフィードバックされて市民の意見も反映できるという形になることが重要だと思います。この会で何回集まってまとめるということではなく、その内容が広く市民に伝わって、多くの市民の意見を聞くということが、形式はいろいろあると思いますが大切だと思っています。
【アドバイザー】
市民に広めていくには、皆さんが回りの人に伝えていくということも効果があると思いますし、名寄市にはFM放送がありますのでその活用を考えてはどうかと思います。
そういった意味で名寄市にはたくさん材料があると思います。
【会長】
市の広報などでは報告をしていくと思いますが、なるべく多くの媒体でPRしていくことが大事だと思いますし、多くのかたは自治基本条例という言葉や意味がわからないと思います。自分たちもこれから勉強していくわけですから、市民と同じ目線で市民が関心をもってもらうことを考えながら進めていきたいと思います。
今後の進め方の案ですが、今日の講演を参考にしながら一番大事なことは自治基本条例というものは必要なものだという合意。疑問も出されていますが、そこをしっかり確認するということ。
その次に一番基本的なことが示されるのが「前文」。そこにどんなことが盛り込まれたらいいのか、幸いなことに先例がありますので、参考にしていただいてイメージを作ってもらいたいと思います。そしてこういったことがぜひ必要だなということを皆さんに考えていただきたい。
次に「名寄らしさ」を表すにはどのような内容が必要かということを考えていただきたい。先ほど浅野先生から小学校の校歌を参考にしたらというアイディアもいただきました。
そういうことも含めて、「前文」の内容と「名寄らしさ」。
その後、基本条例に盛り込む項目、構成要素。先進例を見ると必ず盛り込まれている内容がありますが、その取捨や盛り込まれてはいないがこういった内容が必要ではないかといった検討を行いたいと思います。
次回の懇話会では、なぜ自治基本条例が必要かという点について今日の話を含めて確認したいと思います。その後「前文」に盛り込む内容、そして「名寄らしさ」を話し合いたいと思います。もちろんその議論が終わればその項目が終わりということではなく、何度も振り返りながらということになりますから、とりあえず検討経過として残しておいて、あとから修正するという形になります。
その後必要な項目について検討するという進め方をしたいと考えますがいかがでしょうか。
【委員】
先進例を見ると迷ったり、先進例と同じようになってしまうのかなとも思ってしまうのですが、一番最初にできたニセコ町ではどのようなきっかけがあったのか、あるいはどのようにしてできたのか、こういうまちになれば良いと思ってできたのか、何か形のようなものがあったのか、参考にお聞きしたいと思います。
【アドバイザー】
自治基本条例の基本となる考え方は、1970年代の革新自治体でそういったものを作ろうとする動きがあって、そこに関係した人を中心にニセコ町の人と道内各地に住むいろいろな人が関わって作った経緯があると聞いています。その時の町長の発意もあったと思います。
【委員】
まちづくり基本条例と自治基本条例が同等、同格に扱われていますが、内容を見ると相違があると思いますし、受けるイメージも違うと思います。名寄市では自治基本条例ということですが、そのイメージというところは大事だと思うのですが。
【会長】
自治基本条例というのは仮の名称でそれが変わってもかまわないということですし、懇話会で話し合う素材でもあります。
【アドバイザー】
名寄市らしい名称になれば良いと思います。
【委員】
町内会の役員会で自治基本条例の話をしますと、自治基本条例という名称は硬すぎて市民が興味を持ちづらいのではないかとの声がありました。中川町でもまちづくり参加条例策定委員会がありましたが、まちづくりとか地域づくりといった言い方のほうが興味をもたれやすいのではないかと思います。今は自治基本条例で進んでいますが、ある時期からガラッと名称が変わるのも感心を持ってもらう一つの戦略ではないかと思います。
【会長】
良いアイディアがあれば、早い時期から変えても結構だと思います。
【アドバイザー】
条例の名称とは直接関係はありませんが、東京都千代田区の温暖化対策条例では中学生が前文を考えています。そうした例も参考になると思います。
【会長】
大学の学生も何らかの形で参画するということも良いと思っています。また条例の名称も皆さんと考えていきたいと思います。
【副会長】
次回の進め方として、「前文」や「名寄らしさ」が題材としてでていますが、今日の資料として岐阜県多治見市の例がでています。この例はほかの自治体と少し性格が違うと聞いています。
自治基本条例を大雑把にくくると、住民と役所と議会が対等な関係でまちづくりを進めようというのが一般的ですが、多治見市は市長と市職員をしばると言いますか、そういったことを前文で明らかにしています。こういう例は少数派だと思いますが、こういった選択もあるのではないかと思います。
【会長】
どういう考え方の基本条例が良いのかということも含めて、話していきたいと思います。
【委員】
前回の議論でこの懇話会の目的は条文を作ることではなく、自治基本条例のあり方を検討することだということでしたが、どんな内容で提言すれば良いのか。市としても柱と考える項目があるのではないか、その項目などについて我々が意見を述べるのではないかと思っていました。市としての考えがあるのであれば、それを出してもらって検討したほうがスムーズに進むと思います
が、どうですか。
【会長】
私たちの役割は、その柱も考えるということです。議会に提案する条例は市で考えるとしてもそこに盛り込む内容については懇話会が考え提言するということです。
市が考えたものについて我々が意見を述べるだけでは、自治基本条例の意味がないとも言えると思います。
【委員】
この会の名称が策定検討委員会ということでなく、懇話会なので誤解するところもあったと思います。
【会長】
繰り返しになりますが、最終的に条文を作るのは市ですが、そこに盛り込む内容を考え、提言する役割をこの懇話会が持っています。
(以上)

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