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星・雪・きらめき 緑の里 なよろ

第3回懇話会会議録(平成20年3月11日)

第3回 自治基本条例市民懇話会 会議録(要旨)

  • 日時:平成20年3月11日 火曜日 午後6時30分から午後8時30分
  • 会場:雪あかり館
  • 内容
    1. 会長あいさつ
    2. 議事
      1. 自治基本条例の必要性について(なぜ必要か、どういう考え方が望ましいのか)
      2. 「前文」について
      3. 「名寄らしさ」について
      4. 盛り込む項目について
    3. 3.その他
      1. 第4回懇話会の開催日程と検討事項
        • 次回の開催について…3月25日 火曜日 午後6時30分から。会場は、後日連絡することとした。

議事を進めるにあたって:総務部長

ただいま、第1回定例市議会のまっ只中でありまして、3月5日から10日まで代表質問5名、一般質問12名ということで、それぞれ質問をいただきました。今日からは14日まで予算審査特別委員会ということで現在続けられています。
今回、市長の市政執行方針でも自治基本条例について話をさせていただきましたので、今回の代表質問、一般質問は、自治基本条例についての意見、提言を含めた質問を多くいただきました。
紹介させていただきますが、市民懇話会でしっかり議論をいただくということは、議員もぜひ進めてほしいということでしたが、広く市民の意見を聞く機会を設けてほしい。これにつきましては、第1回の市民懇話会でも皆さんから、ぜひ節目に市民との意見交換等も含めたそういう機会を設けたいというお話をいただきましたので、答弁のなかでも紹介させていただきました。ぜひそういう方向で進めてほしいということです。
また、自治基本条例に先立って、パブリックコメント手続条例をぜひ作ってはどうかという意見もいただきました。これから進めていただく懇話会の議論の中に当然、参加と協働なりの章でパブリックコメントについても触れていくことになろうかと思いますので、市民懇話会の議論のなかで自治基本条例に織り込む形で整理をしたいとお話をさせていただいています。
もう一つは情報公開の関係です。名寄市では法律に基づきまして、情報公開条例をすでに整備していますが、これは公文書の公開という法に基づく部分でありまして、議員から出ておりますのは、広く行政情報を公開する制度化をしてはどうかということでした。これにつきましても自治基本条例の中での検討ということでお話をさせていただきました。現状としては、広報でありますとか、ホームページでありますとか、あるいはまちづくり懇談会であるとか機会を設けて情報公開している部分もございまして、市民ニーズに応えた情報公開のあり方ということで、懇話会のなかでぜひ議論を進めていただければと思います。
もう一つは、市民活動支援条例。NPOの活動に対する支援の部分についても制度化をしてはどうか。これにつきましても、各地で先行している自治基本条例のなかにもコミュニティ活動に対する基本的スタンスということが盛り込まれている例もありますので、懇話会のなかで議論をいただいて方向付けをしていただければと思います。
今、議会のなかで議論されていることにつきまして報告させていただきましたので、どうぞよろしくお願いします。

会長あいさつ

総務部長さんより、市議会での議論内容について報告していただきました。
今日の懇話会ですが、まず基本条例の必要性についてを題材にします。前回の懇話会で基本的な疑問点も出されましたので、その点について意見交換をしたいと思います。
それから自治基本条例、名称が変わることもあるということで仮称ですが、基本条例にはいくつかのタイプがあるということで、どういったタイプが望ましいのか。基本的な方向付けのところですので議論を重ねたいと思います。
その点が整理できれば、次に「前文」。どのような内容を盛り込むか、ここでは名寄市ならではの特徴を出したいと考えます。名寄市にはどのような特性があるのか、持っているのか、それを表わす文言、イメージ、アイディアなどを出してほしいと思います。懇話会で文章を作るわけではないので、「前文」に盛り込んだら良いのではと思う意見の整理をしたいと考えます。
その後は、骨格ということで基本的にどういう項目が必要なのか大まかな話をおうかがいしたいと思います。

議事

(1)基本条例の必要性について(なぜ作るのか、何を目的とするのか)

会議の様子の写真
【会長】
前回、浅野先生の講演で「なぜ自治基本条例が必要か」という話がされましたが、そこで委員から基本的な問題として、もう少しなぜ必要かということについて考えてみようと、なぜガバメントからガバナンスにならなければいけないのかという発言がありました。問題提起として、もう一度おっしゃりたいことをお聞かせ願いたいと思います。
【委員】
前回お話をさせていただいたのは、景気が悪くなってきて、自治体の財政が厳しくなってきたときに、今まで、お願いすれば大概のことはやってくれましたが、それが出来なくなってきたからいっしょに考えながらやろうよと言われていると思う人がたくさんいると思います。
出来ることと出来ないことをはっきりさせて、できることは住民にやってもらいましょうという感じで捉えられてしまうのではないでしょうか。今まで背負っていた行政の荷物を半分持ってくれと捉えられるということでは、この自治基本条例の意味はないのではないかと思います。
その誤解、あるいは見解の違いを解くような形で話を進めていかないとそうなってしまうのではないかと思っています。たとえば、景気がよくなってくれば、また前のようにやってください。まちづくりは行政にお任せします。そういう人がたくさんでてきても不思議ではないと思います。
今まで、それにどっぷりつかっている人は、声が大きい人が家の前の雪をかけと言えば、またそうなる状況になる可能性がある。そういう人たちがどう理解して、市民一人ひとりが行政といっしょになって誰がこのまちを作っていくのかということをはっきりさせないといけないんじゃないかと思っています。
【会長】
そういうふうに市民に受け取られてしまうということを心配されているということですね。そうなってしまったらまずいので、そうならないような説明の仕方ということが必要だということを言われていると思います。
【副会長】
そういうふうにとられる可能性は極めて高いと思います。なぜかというと、先進例の前文の中に「協働」という言葉がたくさんある。「協働」という言葉があるばかりに、それが押し付ける。あるいはおっしゃるような意味でとられるのだろう。できれば「協働」という言葉は使わない。例のなかにもあるように多治見市では連携協力という言葉に置き換えています。協働というのは意味合いとしてそういうふうに捉えられるので、あえて使っていない。
三鷹市のように「前文」のなかに協働という言葉を3回も使っているところもありますが、協働という言葉を使わないほうが良いと思います。
【会長】
「協働」という言葉を使うと押し付けるような意味にとられやすい。
市民の側に役割負担をかけるのではなくて、むしろ行政の側をしばるようなものが望ましいということですね。
【副会長】
そうなると市民のかたも安心されるのではないかと思います。
【会長】
実は私もこの「協働」というこの言葉の意味が必ずしも理解されていないと思うので、安易に「協働」という言葉を使うのは避けたほうが良いと思います。
ただ市民が主体のまちづくりを自治基本条例の意義として考えたときに今まで行政がやってきたことをみんなでやっていきましょうということではなくて、市民が主体となっていっしょにまちづくりを支えていくということが今の時代に大事なんだという意味で使っていく。ですから「協働」という言葉を使いたがる気持ちはわかる。ただ協働という言葉がかならずしもきちんと理解されているかということだと思います。
条例制定の背景にあるのは自治体財政が厳しくなってきて、すべてを自治体が担うといった運営がなかなか難しくなるであろうという認識があると思います。
それは市民が主体なのだから、市民に仕事をすれということではなくて、市民もまちづくりの一端を担っているんだという意識をもってやろうじゃないかという主旨があるのではないか。ですからそういった観点で意見をいただけると全体が見えてくるのではないかと思います。
【会長】
すべて行政に任せたんだからやってくれ、我々の言うことを聞いてもらえれば良い。そういう発想ではなかなか、財政の面だけでなく、これからでてくる課題に対しての対応も難しくなるのではないかと考えています。
例えば高齢化しかり、健康、福祉など、必ずしも制度的なものや財政的なものだけで解決できるものではない。市民がいっしょに関わるような形でないと難しいのではないか。そういうことも含まれているのではないかという気がします。
【委員】
一番考えなくていけないことは、子どもによく言われるんですが「どうしてこんなところに生まれたんだ。」ということです。自分たちもそう思ったことが確かにあります。そうしたことを考えると一番はここに僕たちが住み続けるという意味。ここに僕たちが名寄市民として生活していくという意味をはっきり見出していかないと、ここのまちを作っていくという気持ちは生まれないと思います。
たまたまここに生まれたから仕方なく何とかしよう。行くところがないから、なんとかしようとするのではなくて、学校を卒業して、あるいは大学に行ってもまた戻ってくるというのは、ここに住んでいるからとか、住んでいたからここに住むんだという、その意味をはっきりと市民が認識しないとこの基本条例は効果がなくなってしまう。例としてはどうかと思いますが、たとえば行政がだらしないから自分たちでなんとかしなければならないという気持ちにならないとこの条例は意味がないと思います。
【委員】
今、協働という言葉の意味が一つのポイントになってきているように思うのですが、私は名寄に来て50年あまり経ちます。50年前の名寄の状況と今の状況を考えると、今の名寄は死んでしまっているような感覚をもっています。死にかかっていると思います。
ただ、現実的には少子高齢化ということに象徴されるように町内会の行事が一つもありません。今までの町内会のかかわりというのは何かあったら話し合う、協力しあう、そういうものが全然なくなってしまっている。
そういうなかでの基本条例というのは、行政ばかりでなく市民もポイントになってくるのではないかと思います。
協働という言葉は今言われたようにちょっと難しいですが、一番市民にピッタリするのは共同体意識を大事にしようということではないかと思います。
うちの孫も学校を卒業したら名寄に住みたくないと言っています。なぜかというと「おもしろくない。」魅力がないということですね。
【会長】
共同体というのは、地域共同体という意味で使われていると思いますが、コミュニティが失われてきていると。コミュニティは大事なことだと思います。
先ほどの発言にあった協働というのは、協力して働く「協働」で、いっしょに何かをやるだけではないと思います。
名寄に限らず、何でここに生まれたんだろう、できれば別のところに行きたい。という気持ちは多くの人が持っているのではないでしょうか。
それを、ここに住みたいなと思うようにするとすれば、このまちの「将来像」というか「将来イメージ」を作らないといけないですね。それができたら理想的だと思いますので、できればそういう方向で基本条例にあらわすことができるように考えていかないといけないと思います。
正直いうとかなりの人がそう思っているのではないでしょうか。全国の人がそう思っているかもしれません。しかし、そうであるならばこのまちを住みよいまちにしようよ、そういう気持ちになってくれば理想だと思います。そうするためにはどうしたらよいかを前向きに考えていくしかないのではないかと思います。
だからこの条例も「前文」などにまちづくりの基本理念のようなことを示すべきではないかと思います。
自治体の財政が厳しくなっている。どこの自治体もそうだと思いますが、そういう状況が基本条例を作ろうとする背景にないとはいえない。だけどそのことだけを捉えて自分たちが今まで何をしてきたかという発想ではなくて、自分たちが市民の一員としてこういう状況を解決しなければならないのではないかという方向に気持ちを持っていければよいと思っています。
【委員】
この条例を作るということ自体、もっと市民にアピールしなくてはならないと思います。何でこんなことを始めたのかということやみんなやっているからやるのか。特に総合計画ができていますから作る順番としては、逆のようになっているので、まだまだ宣伝していかなければならない。「何で」というところを市民と共有すべきだと思います。
【会長】
これは会議のたびに出ているテーマですが、市民の皆さんはわかっているだろうか、おそらくわかっていないと思います。
前にもお話しましたが「自治基本条例」という名前もなかなか難しいですからイメージがわかないということもあって、市民の皆さんには、かなりわかりやすい言葉で説明しないとなぜこのようなものをということがわかってもらえないと思うので、私たちは私たちで検討を進めていきますが、できる限りはやい機会に市民の皆さんに理解していただけるような機会を持てたら良いと思っています。
【委員】
集まってこういう話というのはなかなか難しい。これからどこの町内会でも総会があるので我々が行ったりして、そういった機会を利用することも効果的だと思います。
【委員】
総会のなかでそういう議論ができるムードでもなく、聞く耳を持たないという雰囲気があると思います。
1回目、2回目の懇話会のなかでPRの話がありましたが、聞いていると議論がまとまってから市民にPRしていこうという姿勢だと思う。今、懇話会でどういったことを議論しているのか、あるいは議論の節目などでどうPRしようとしているのか事務局の考えを聞きたい。
【事務局】
市の広報を使って先月からお知らせしています。内容は懇話会を設置した経過やその目的が主でした。次の号では、懇話会の内容をお知らせする予定です。また市のホームページではこれまでの取り組みや会議の開催案内、傍聴の呼びかけをしています。また町内会の会合などに出向いて説明したらどうかというご意見もありましたので、「出前トーク」といった取り組みも早急に検討したいと思います。
【会長】
現在、市広報を使った情報提供を行なっているということです。ただ、印刷物はどれだけ市民の皆さんが見るか、あるいはわかるかということもあるので、限界があるかもしれません。今、いただいた意見の町内会の総会でのPRも簡単なようで難しい。新たに出前トークというものも取り組んでいくということですが、いずれにしてもそういう方法については、我々のなかでどういうことが考えられるか、意見を出していただいて、これが良いだろうということになれば、我々の考えがまとまれば対応していくべきと考えますので、どんどん出していきたいと思います。
【会長】
今の「なぜ必要か」ということについて大体のイメージができたと思うのですが、いずれにしても行政にだけ任せている。市民は何も知らん顔というようなことではないし、そういうことだとまちづくりやまちの運営はこれからはうまくいかなくなるという基本的な認識は一致していると思います。
そのために自治基本条例が必要なんだということですね。
ただ、その次にですね。タイプがどうも二つある。一つの例が多治見市市政基本条例。主として行政はどういうことをやらなければいけないか、ということを主として定めている。ただ市民が何をしなければいけないかだとか、どうするかということについてはあまり触れていない。
この条例のポイントは市・行政の側をしばるものだと思います。そういった視点のほうが良いのではないかとした発言が前回ありました。
【副会長】
この懇話会の議論のまとめを基礎として条例がつくられます。ということになりますと、執行側の市だとか、議会にはこうしてほしいということは議論しやすいですが、一方で市民に向かって「こうしなさい」とかということをこの会の委員の議論だけで言えるのかということです。
そこまで、この委員だけで言い切ってしまうのは、おこがましいのではないかという気持ちがあって、ある意味では行政をしばるという視点に絞るということであれば議論できるかなという気持ちです。
【委員】
ここにいる皆さんは本当に必要だと思っているのでしょうか。たぶん必要だと思っているから、いらっしゃると思うのですが、では作らなかったらどうなるんだろう。そこをきちんと一致させないときれいごとに終わってしまうのではないでしょうか。必要だよねというと、そうだよね。になると思いますが、まちの「憲法」を作ろうしているのですから、本当に必要なのか、「行政」って何なのかなとか、「まちづくり」って何なのかなだとか、市民の声が本当に届いているのかなだとか、具体例を挙げて、たとえば風連地区の市街地開発が名寄市民全体に理解されているのか、だとか。
すでに議会も通っていますし、動いていますが。ポスフールの問題にしても、あれだけもめたのに市民の総意はどこにあるのか。市民の総意=意識がどこに表れていたのかというと、結局議会で決定されましたが、その結果について苦々しく思っている人もいれば笑っている人もいる。総体として、名寄のまちづくりにどう影響していくのか。市民がしっかり、まちの未来を見据えていかないといけない。
まちを未来永劫、子どもたちに引き継いでいくための正しいことは何だろうということを皆が考えなければならない。ということのためにこの条例はできるのではないか。
例えば「行政」って何なんだ。行政は様々な仕事をしますが、大きな影響を及ぼすのは公共事業だと思います。その公共事業のあり方だってどうなっているのだとか。そういう苦々しい気持ちが出てこないと作る意味がないのではないか。議員もいるし今までの間接民主主義でそういう声を反映することだってできる。本当に必要だという気持ちや思いがないと一般の市民にはなかなか届かない。となるとただのきれいごとになってしまう。
今の名寄市民で自治基本条例を必要としている人は1割もいないと思います。その1割を9割以上にするためには努力をもっとしていかなければならない。本当に必要だと一致したところからスタートしないと、いまさら言うと怒られるかもしれませんが、そういう感じがします。きれいごとで進んでいくと必要でないものができてしまうというか。
【委員】
いるかいらないかと言えば、いらないかもしれませんが、ただ作ること自体が重要で、我々だけで市民に押し付けていいのかという発言がありましたが、市民も巻き込んで進めて、その巻き込む過程によって、議会に興味を持つことになるかもしれませんし、役所が何をやっているのかと興味を持つことになるかもしれません。
できた条例がどうでもいいと言ったら語弊がありますが、それ自体重要ではなくて、必要だから作るのではなくて 作る過程において、自分が言うことも名寄のあり方のようなものにつながっていくかもしれませんし、議論するのが重要なのではないかと思います。
また、議会に対して、市に対して、しばるというお話がありましたが、最終的に決 めるのは議会ですが、たとえば議員の報酬をゼロにしますよという条例を作ったとして、議員がだめですよとなると思うんですが、市民を巻き込んで市民の総意として名寄は財政的に苦しいんだから、議員ゼロとは言わないまでも報酬半額ぐらいにすれよと市民の総意として思っているということになれば議会も頷かざるをえないと思います。
最終的に決める議会に対して影響力を持ってくると思います。
当然市民に対してのしばりについても、言うだけではなくて、こういう話をする以上は協力していかなければならないと思うようになれば、この懇話会の結果を押し付けるのではなくて、やらなければならないなというふうになってくるだろうし、その巻き込み方の問題だと思うんです。
大和市の例を見ると条例を作るのが3割ぐらいで、PRに7割ぐらい労力を使っているのではないかと思うのですが、ただそこまでの労力をつぎこめるかということはありますけど、現実に本当に有効に機能させようと思ったら文章を作るよりPRに時間を使ったほうが良いんじゃないかと思うんです。
条例が必要かということに関しては、必要だからというよりも、どう作るかという、作る過程でという話ではないかと思います。
【委員】
今の話のなかで、たとえばこの条例を作って、市民に対して押し付けのようになってしまうとありました。
今、この条例を作ることが良いか、悪いか、必要でないかという前に、今の名寄の状況として行政や議会に無関心層が多すぎるということがあると思います。また、行政や議会のやっていることが私たちには全くわからない。
私は50年前に名寄に来たときに、すごいまちだなと思いました。良いまちだなと。駅前がいきいきしていました。今はいきいきした名寄ではない。何が原因でこうなったのか。いろいろ考えてみると、今この基本条例を作って少しでも市民にお願いして、今言われたようにPRは必要になってくるでしょう。だけどこれをやらなかったら私は市民の一人ひとりが動いてくれるような状態にならなかったら名寄は財政再建団体のようなことになってしまうのではないかと思います。
名寄に何があるかといったら、何もないんですよ。産業がないんです。名寄のメインとしたら福祉と教育ですよね。これしかないと思うんです。
この基本条例というものはやはり私は市民に協力をお願いしてそして共同体を作り上げていくということが必要ではないかと思っています。
【委員】
市民にお願いするという一方的なことだと反発がくると思います。市ではいろいろなイベントがありますが、イベントを手伝って思うことは、職員はお金をもらってイベントをやっているんです。手伝いの市民は無料で盛り上げようとしているんです。やっぱり、なんで、市民はボランティアで出ているけど職員はお金をもらっているの。それが悪いわけではないんですけど手伝いとは関係のない職員がイベントに来ているかというと来ていないんですね。手伝っている職員しかいないのです。イベントを盛り上げようとする、あるいは手伝いますという職員が少ないのが寂しいと思っています。
せっかくこの基本条例ができるのであれば、まちを良くするために職員のかたも財政再建団体にならないために名寄をどうしようと。お金がなくて大変だと言っているまちが、今まではお金を出してたのんでいた掃除などを職員のかたが自らやっているというのがニュースに出たときに、全部とはいいませんけど。何かあれば同じ立場で市民も職員も盛り上げていけるようになればいいなと思います。
職員はお金をもらってやっているよねと言われるのではなくて、職員は一生懸命やっているよねと言われるようでないとだめだと思うんです。
市民も職員もより住みよいまちにするためにいっしょうけんめいやっていくような方向に持っていければいいなと思います。
【会長】
財政再建団体になるとまずいという発言がありましたが、その点を考えても、いかに市民が行政をチェックしてそこにかかわっていくか、少なくとも情報を共有するということが、何ができるかは別しても大事なことだと思います。
【委員】
われわれは条例を作るという前提で議論を進めるべきだと思っています。合併したということもよい機会だと思います。
【会長】
今の皆さんのお話を聞くと、自分たちのまちをどうしようとか、どうあれば良いかという意識が失礼な言い方ですけれど薄いような気がします。それを皆さんといっしょにやりましょうとか関心を持ちましょうという方向に持っていくためにこの条例を考える過程で市民の皆さんを巻き込んでいくことができれば、それだけでも大きな意味、効果があるという気がします。
【委員】
子どもの頃にここで暮らしていて良かったと思ったのですが、その頃はしっかりとしたものの考え方をする大人がいました。その知恵を授かりながらそれを有効に生かそうと意識してきました。「知恵は力」と言いますが、今、知恵を市民のかたたちに投げ込んで、あっそうかと思えるようなちょっとしたアドバイスをすることによっていろいろな分野に波及することができれば良いと思います。
行政や議会に対しての思いだけではなくて、今ここに住み着いて、また住もうとしている人たちにとって何が一番良いのかということを考えることが大事だと思います。
それがたとえば単身で暮らしているけれども、中学校も高校も良いところだから家族で暮らそうとか、そんなふうに思える地域を作っていかなければ、いくら立派なことを言っても意味がないと思いますので、この場で一人でも多くの市民が賛同できるような良いアイディアが出てくる、あるいは出していきたいと思っています。
【委員】
この懇話会の委員になって、この条例に向かい合ってどうしたらよいかなと思ったときに、私はこのまちで生まれて、このまちで育っているから、ほかは知りませんが、子どもや孫や子孫にこの名寄市をきちんと伝えていくための条例というように考えました。
これまでいろいろな問題や不満があったりしても一人では声をあげることがなかったというか、どこにあげればいいのかと言っているうちに時間が経ってしまったりしていましたが、そういうところを少し見直していければ良いと思っています。
【会長】
今の発言ですごく共感を持つのは、この後「前文」の話になったときに必ず盛り込みたいとも思っていますが、私たちの子ども、孫の時代にどういう社会を残すか、地域を残すかということです。非常に大事だと思うのです。今は確かに課題もあるかもしれませんが、これから名寄をこうしていけば将来すごく良い地域になる。そういった希望が持てるような主旨を盛り込みたいと思っています。素材もあると思いますので。
【委員】
作る目的がどこにあるのか、なぜ必要なのかを考える際に、光凌高校の先生が名寄に非常に興味を持っていて、生徒といっしょに名寄の良いところや悪いところだとか、アンケートをとっているんです。そうすると良いところとして、四季がはっきりしている、星空がきれい、ピヤシリスキー場がある、天文台がすばらしいだとかたくさん出てくると言うんです。
反対に悪いところというと、悪いことではないかもしれませんが、お年寄りが多いとか、遊ぶところが少ないとか出てくるんです。皆でそういうところを出し合って、良いところを取り上げて、何とか次の世代に残せるような、市民みんながこの条例を作って本当によかったと思えるようなものを考えていくべきだと思います。
【会長】
先ほど単身赴任の話がありましたが、私自身単身赴任でして、今名寄にいることが非常に楽しい。それは週末に家に帰るということがあるから楽しいかもしれませんが、別に帰らなくてもいいなとも思うこともあります。ただ家族で暮らすかというとそこまでまだいかないんですけれど。
名寄にいて楽しい理由は大学にいて学生もいて教授仲間もいてそこにコミュニティがあるんですね。また若い学生がいるというだけで楽しいですが。
学生に名寄のまちをどうしたらよいかと考えてもらったときに大半は道外から来ているんですが、外から見た名寄は良いところがあると捉えていますので、できることなら彼らにここに残ってほしいと思っています。

(2)基本条例の方向性について

会議の様子の写真
【会長】
この懇話会では、名寄はこうしたらいいなというイメージを持ち合いながら話を進めていって、それを実現するにはどうしたらいいだろうかと進めていきたいと思います。
また、これからの名寄のまちがこうした取り組みを通じて少しでも良くなるということを考えあいながらやっていきましょう。
こういうことがあるからまずいので、こういうことを盛り込んだらいいなということにつながりますから今後も継続しながら話をしていくことにして、先ほどの話に戻りますが、多治見市の市政基本条例ですが、多治見市では市民参加条例が別にあるんですね。ですから市政基本条例では基本的な原則だけ定められていて、具体的なこと
は参加条例で定めるということですね。
名寄の場合は情報公開条例はありますが参加条例がない。この条例作りを通じて市民の皆さんにまちづくりの主体であるということや自分たちで何とかしなくてはいけないという意識を持ってもらいたいということを考えますと、いわゆる他の自治体のまちづくり基本条例のように情報公開、住民参加を主としたほうが良いと思うのと行
政にしばりをかけるのはいいんですが、行政にもできないことがあるとも思います。
多治見市の基本的な考え方は他とちょっと違うと思いますが、定めている柱は大きく違わないともいえるので、意義、意図を含めることができるのではないかと思っています。

(3)「名寄らしさ」について(名寄の持つ特性、「前文」と関連して)

会議の様子の写真
【会長】
どういう柱を組み込んでいくかは次回に話をするとして、もう少し、名寄の持つ特性について意見交換をしたいと思います。
たとえば、こんなまちにしたいとか、名寄のよさはここにあるとか、名寄のよさを取り入れるとすれば、どういうものが考えられるとか、アイディアだとかをいただきたいのですが。
【会長】
全国で住みよい都市ランキングの上位になっていますね。何もないとおっしゃいますが、何もないのになぜ上位になるのか。たぶん基準があって安全の数値が高いのではないかと思うのですが。
【副会長】
医療と教育も高いと思います。
【会長】
まちの規模としてということですね。名寄のまちのよさと将来の姿を考えるときに健康、安全、福祉、それと平和も加えてキーワードかなと思っています。
道北地域を考えたときには医療の核となっていますし、大学が4年制になって栄養、看護、社会福祉というコースがあって大学の構成そのものがまちの進んでいく道を暗示しているのではないかという気がして、とてもいいところに大学を作ったなと思っているんですが。
【委員】
風連地区ではこれまで施設福祉に力をいれてきたと思いますし、名寄地区は病院、大学、教育に力を入れていると思います。近隣からも、たよりにされるようになれば良いと思います。
【委員】
塩狩峠を越えると人が変るといいますが、それはなぜかというと、自然が厳しくて、だから人に優しくしよう。自然が人を作るというところがここのまちの良いところだと思います。
【委員】
名寄というのは住みやすいまちだと思います。そこで名寄の目指す方向は福祉と教育のまちだと思うし、そこで交流人口を増やしたら良いと思います。
人情味がある、そこが良いところである、ただあまりに優しいから政治だとかに無関心になるのではないか。
【会長】
他の先例の前文を見ていいなと思うのは「持続可能な地域」を作っていかなければならないと書いてあるところです。言葉は難しいですが、要するに将来も生き残るような地域、みんなが幸せに暮らせるような地域を作る。そのためには持続可能なということでいろいろな政策や経済活動をしなければならない。
名寄では、たとえば自分たちの子どもに幸せに過ごせるような地域にしたいというようなことが望ましいのかなと思っています。
【委員】
名寄らしさということにならないかもしれませんが、自治の基本理念として、社会的弱者であったり、経済的弱者であったり、そういう人が住みやすいまちを目指すとか、そうしたことを目指すことによって全体が住みやすいという方向性を持ったらどうかと思います。それが結局、名寄らしさにつながってくるとも思います。そういった視点を積極的に打ち出すことが自治の基本理念にもなるし、名寄らしさになるのではないかと思います。
【会長】
そういう意味での福祉というのが一番大事だという視点でもあると思います。
【会長】
その他にどうでしょう。自然の厳しさというお話がありましたが、だから自然がきれいだということもあるでしょうし、それを守っていくことが将来の地域につながっていくことにもなると思いますが。
【委員】
自然の厳しさはあるが、自然災害のないところですね。
【会長】
安全ということですね。将来的には非常に価値を持つと思います。
【会長】
こうした話というのは、検討の内容には直接つながらないかもしれませんが、大事だと思っていますので継続していきたいと思っています。
次回は、今、前文に盛り込む話をしましたが、もっとどんどん出していただいて、これは大事だという点を絞っていきたいと思います。
時間があれば、他の市町村の条例を読んでいただいて、これは絶対大事だと、はずせないという柱の話をしたいと思います。
(以上)

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総合政策部 地域課題担当