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星・雪・きらめき 緑の里 なよろ

第4回懇話会会議録(平成20年3月25日)

第4回 自治基本条例市民懇話会 会議録(要旨)

  • 日時:平成20年3月25日 火曜日 午後6時30分から午後8時30分
  • 会場:雪あかり館
  • 内容
    1. 会長あいさつ
    2. 議事
      1. 第3回懇話会の意見交換から(なぜ必要か、どういう考え方が望ましいのか)
      2. 「名寄らしさ」と「前文」について
      3. 条例の骨格(柱となる項目)について
    3. その他
      1. 第5回懇話会の開催日程と検討事項
        • 次回の開催について

議事

(1)第3回懇話会の意見交換から

自治基本条例の必要性について
【会長】
前回までの懇話会では、自治基本条例というのは、なぜ必要なのかということについて意見交換がありました。まとめてみると今まで、市政のこと、行政のことは市役所に任せておけばよかった。市民が何かしてもらいたいときには、してほしいと言えばやってくれた。そういうやり方がなぜ悪いのか。という問いかけに対しどう答えるかという視点が一つ。
それから、財政的に非常に厳しくなってきたということと地方分権の流れのなかで権限が地方に移譲されてきたという背景があるなかで、市民主体のまちづくりだとか、協働のまちづくりだとかというのは、ある意味では市の行政のほうが、自分たちだけではできなくなってきた。行政ができなくなったことを今度は市民がやってくれと押し付けるような受け取られかたもされるのではないかという発言もありました。
そういうことも含めて委員の皆さんの意見を伺うと、やはり頼めばやってくれる、という姿勢ではこれからはだめであろうという意見だったと思います。
財政再建団体の話もありましたが、私たち自身がそうなる前に自分たちのまちづくりを自分たちの責任と自分たちの力で主体性を持ってやっていくということが大事なんだ。という主旨であったと思います。
この懇話会では、まちづくりというのは市民が主体的に取り組むべきであると考えていかなければならないということを基本にすべきと考えます。
もう一つは、自治基本条例がどんな内容になるかはこれからの議論しだいですが、一つは名寄のまちが良くなるという保障はないけれども、みんなで自治基本条例を作っていく、そのプロセスのなかで今まであまり市政とかまちづくりに関心がなかった市民の皆さんにも関心をもってもらう。また皆さんに考えてもらうということにも意義があるのではないかという意見がありました。
名称は仮称ですけれど自治基本条例、私たちが考えるうえで一番大事なことはできるだけ早い機会に市民の皆さんに我々のやっていること、やろうとしていることの理解を得られるような機会を作るべきだ。という意見だったと思います。
前回までの議論にあった、なぜ自治基本条例が必要かということについて整理してみました。皆さんから補足する発言などがありましたらお願いします。
【委員】
前回あまり発言できなかったので改めて発言させていただきます。
自治基本条例が必要か、という点に戻りますが、自分自身の話をさせていただきますと、名寄に戻って10数年経ちますが、青年会議所に所属していたので立場的にいやおうなしに考えたというか、まちづくりということについて考えさせられる環境にありました。
そうした環境にいたので、やってもらえることはやってもらって、できることを我々が積み上げていけばいいなというように捉えていまして、あらためて「皆さんまちづくりに参加しましょう」という枠組みというのが必要なのかなと考えていたんですが、そういう立場、環境に置かれていたものですから、たぶんそういう考え方があたりまえになっていたのかもしれませんが、一市民というか、そういう組織だとか団体に関りを持っていない市民にとってみれば、何かやってみようだとか思い描いていることがあっても、どうしたらよいかわからないという方々がいらっしゃるかもしれない。
こうすればいいんだというような情報をどんどん出していけば参加できるようになるのかなと皆さんの発言を聞いていて思いました。
さきほどの会長のまとめや皆さんの意見にもあったとおり、検討する過程を市民の皆さんに見ていただいて、意見をどんどん出してくれるかたがでてくるかもしれませんし、まず懇話会委員で広げていける会になれば良いなと思います。
最終的に市民のかたがどんどん参加できるような形になれば良いと思っています。過程を大事にして、少しでも多くの市民に広めて我々の仲間を増やしていければいいなと思っています。
【会長】
多くの市民が関心を持てるような、参加できるような形態をとれないかという意見だったと思います。事務局からは出前トークといった案も出されていました。これから具体的にどのように取り組むかを考えていくことになりますが、いずれにしてもそういうことが大事だという発言だったと思います。
【委員】
自治基本条例という名称が市民にはわかりづらいと思いますし、関心を持ちづらい呼び方だと思います。「市民手作りの条例」というような名前を使ったら関心もでてくるのではないかと思います。
【委員】
条例の目的だとか前文を読まなくても、何のために作っている条例なのか。条例そのものを表すような副題があれば良いと思います。それは長くても構わないと思います。
「住民手作りの条例」という意見がありましたが、なぜ住民が手作りしなければいけないのか、ということも副題を見ればわかるような名前にすると、わかりやすく関心も持ってもらえるのではないでしょうか。
【会長】
いいアイディアだと思います。もし副題をつけるとすればどんなものが良いかアイディアがありますか。
【委員】
考えてみます。
【委員】
今の名寄市を見て衰退していると感じています。市民全体の力をあわせて活動できるような基礎をどう作るかが求められていると思います。基本条例を作るこの取り組みでも多くの人に考えてもらう手段を早く講じるべきだと思います。
【会長】
この取り組みの内容をいかに市民に理解してもらうかということが必要だという意見だと思います。
基本条例がなぜ必要か、また作る目的の話はこれからも繰り返しでてくると思いますし、その都度振り返りたいと思います。
ここで少し、話を前に進めて「前文」にどういうことを盛り込むかについて意見をいただきたいと思います。

(2)「名寄らしさ」と「前文」について

【会長】
前文の役割というのは、この条例が何のために必要かということ、それと基本理念が述べられます。
基本理念というのは、表現は別にして市民、住民が主体になってまちづくりをする。まちづくりの主体は市民であるという考え方だと思います。
市民が主体であるということは、市民もそれなりの責任と自覚を持ってまちづくりに参加していく。もちろん市民と行政と議会、それぞれに役割と責任があり、連携協力しながらまちづくりを行なっていく。ということが理念としてあるだろうと思います。
それから他の市町村の条例に必ず定められているのが「自治」ということです。日本国憲法にまでおよんで書かれている市町村もありますが、憲法には「地方自治の本旨」と書かれています。これは住民自治と団体自治というふうに言われています。
まちづくりの主体は自分たちである。自分たちが自治権を持っている。この「自治」という意識が重要だと思います。
これまで行政=役所と議会で決めたことに住民が従うということではなくて、実は住民は自分たちのまちを自分たちの考え方で作っていくという権利がある。これが住民自治で多くの自治基本条例で重要視されています。
一方、団体自治というのは市町村は国や北海道から言われたことに従わなければならないということではない。つまり、市町村は都道府県、国と対等な関係であるということですが、これもまた大事だと思います。
名寄市は国、北海道と協力してまちづくりをしていくんだけれども、あくまでも私たちは私たちの判断でまちづくりを行いますということです。これが団体自治。名寄の意気込みというのが少し出せるかなと思います。
自治ということに関して、住民自治、団体自治含めてこういう内容はぜひ示すべきだと思いますが、意見をいただきたいと思います。
それからもう一点、「名寄らしさ」についても意見をいただきたいと思います。
たとえば、過去、現在、未来。このまちは過去こうであった、こういう歴史を持っています。現在はこういうまちで、こういうところが自慢であり、誇りでもあり特徴です。将来このまちをこういうまちにしていきたい。こうした点に名寄らしさを表すことができると思います。
【委員】
外に向けて発信するものではなく、市民に共感を得られる視点が必要だと思います。
豊かな台地と自然の恵みがキーワードではないかと思っています。だから住みやすいということにつながる。人情味もある、住んでみたいまちということになってくるのだと思います。
【会長】
自然、風土からみたキーワードを考えると、天塩川、名寄川、星空が美しい、雪質日本一、サンピラー、安全安心、災害のないまち、福祉と医療、健康などさまざまな言葉が思い浮かびますが、皆さんからどんどんキーワードとなるような発言をいただきたいと思います。
【委員】
前回も話しましたが、「なぜここに生まれたんだ」と子どもに言われたときに親が何と答えるかが大切だと思っています。名寄というのは位置的には道北の中心であり、歴史的には文化運動も進んでいたと思います。
この地域に住んでいる自分たちがこの地域を守らなかったら、人は住まなくなるという意識や肥沃な大地に人が住み、これまで自然環境を守り、まちを形成してきた。そうした自負を持つべきだと考えます。
高校のPTAの会合や法人会の名称では名寄から稚内までを名寄地方としてくくっています。名寄は道北の中では大事なまちということを認識し、そこを守っているという自負をしっかりと持つべきと感じています。
また自然景観や健康を守っているのは農業者、そうした自負。自分たちがここで農業を営んでいるから、この自然が守られている。そうした発想にたてば、ここに住んでいる意味があるし、住み続ける意味がある。この地域を守るのは自分たち一人ひとりであるという思いを示したいと考えます。
【会長】
我々の子どもたちが、安心して暮らせるような環境を残したい。それが名寄市民の一番大きな願いではないかと思います。
【委員】
野菜を生産していますが、昼夜の寒暖差が食味にも効果があると思いますし、美しい自然の姿も名寄盆地の効果であると思います。
【委員】
星がきれいな条件として大気があまり動かないということがありますが、これも盆地の効果だと思います。
【会長】
天文台があって、根拠にもなっていると思います。
【委員】
将来を見据えると、道北の拠点としての福祉の充実、教育のまちが望むべき姿だと思います。
【委員】
医療も道北の核になっていると思います。
【委員】
厳しい自然が人と知恵を作ってきたということだと思います。
【副会長】
市民の側のまちづくりへの関り方として、「自由な意思」でまちづくりに関るという市民の立場の表現も大事だと思います。
【委員】
名寄は地震などの自然災害がありません。
【委員】
柔道でオリンピックを目指す選手も出てきて、スポーツというキーワードがあっても良いと思いますし、健康に繋がると思います。
【会長】
日本一早いジャンプ大会だとか、カーリング場もある。スポーツ施設も充実していると思います。
【委員】
アイヌ語の原義。アイヌ語に関しての表現があれば良いと思います。
【委員】
医療と関連して自然を生かした自然のなかでの治療。星の精神治療効果も研究されていると聞いています。
また、特別教育支援事業のモデルになるのも名寄市にその環境があるということだと思います。市立大学と高校の密接な関係だとか、高校の産業型キャンパスだとか教育については、最先端の環境が整っているのではないかと思います。手の届くところに自然、医療、学校があって名寄市は規模としてちょうどいいのではないでしょうか。
【会長】
前文にどういうことを入れるか。条例の趣旨、名寄のまちの特徴、今後のまちづくりの方向など。すでに総合計画が策定されていて、そこには五つの柱が示されています。その柱を基本に市民憲章が定められ、また各種都市宣言との整合性も考えなければならないと思います。
【委員】
東京を見ないでおこう。ある会議で言っていたことですが、文化はすべて東京から発信されるという視点を変えて、我々は北に住んでいるんだから、そこで生活することや考えることが大切だと思います。
【会長】
この地の気候、風土というのは、ある意味では北欧だとかと共通のものがあるかもしれません。そうしたこともふまえて国際交流だとか、世界に開かれたまちという視点も良いかもしれません。
【委員】
あまり大げさではなく、名寄市民や周辺の住民が名寄だと思えるような前文になれば良いと思います。
【委員】
なぜこの条例を定めるかというところで、協働という言葉を使って市民と行政がいっしょにやっていくという考え方と、多治見市を例にすると基本的人権から始まって、市は市民がまちづくりの一部を信託している相手なんだという考え方について、どうスタンスをとるのかということがあると思います。
【会長】
多治見市の場合は、市民が市に信託しているんだから市政はどうするべきかということに絞って条例が定められていて、市民がどう関わるかはあまり定められていません。
我々が今作ろうとする条例は、我々市民の側の自覚というか意識が大事だと思います。多治見市は市民参加条例がありますが、名寄にはありません。情報公開条例はありますが、公文書の公開に関しての定めで、知りたい情報を共有できるといったものではないということを考えると、柱は住民参加と情報共有ではないかと考えています。

(3)その他

【委員】
市のホームページで自治基本条例の情報について公開されているということですが、なかなか探すことができません。わかりやすいホームページを望みます。
【委員】
今後、町内会長や議員との意見交換の場も懇話会として考えてはどうでしょうか。
【会長】
広く市民の声を聞く手法については、今後、懇話会で検討したいと思いますし、議会とのかかわりについては、必要に応じて意見交換を行うスケジュール案が第1回の懇話会でも示されていますので、その必要性や時機などもこの懇話会で検討したいと思います。
以上
次回の開催を4月15日 火曜日と決定し、懇話会を閉会した。

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